14日の憂鬱
階段をのぼりきり、教室の入り口が遠くに見えた時だった。




「おー。ミナカナー」




後ろから私たちのことを呼び止める声が聞こえる。


「あ、サトケンおはよー」



振り返るとそこには、隣のクラスで同じ野球部の里田健司、通称・サトケンが居た。


「……おっ。サトケン早速戴いちゃったわけ、ソレ」



加奈子がサトケンの手元にあるチョコに気づき、ニヤニヤしながら聞いた。


「おうよっ。さっきクラスの子からな」


「……なに、あんまり嬉しそうじゃないね」


サトケンの表情に、私も尋ねる。



「……義理だってよー。笑顔で言われちまったっての」



はぁ…、と少しため息混じりに答える。




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