14日の憂鬱
「結局、あんたに本命はいないってこと!」



サトケンのがっかりしてる表情に加奈子が笑いながら言うので、私も思わずクスクス笑ってしまった。



「うるせーなっ。きっと…どこかに俺のことを思ってくれている子がいるはず」



さっきまでの暗い表情とは打って変わって、恋する乙女のように、両手を胸元に寄せてうっとりした顔でサトケンが言うので、私も加奈子も大笑いしてしまう。



サトケンは、背も高いし野球も上手いし話せば面白いから、彼女いないなんて変な感じ。



サトケンは冗談のように言ったけど、私はきっとホントに誰かがサトケンのことを好きな子がいると思った。



みんな、この日のことウキウキしてるんだなぁ。
私も…ワクワクしたい…けど。





私たち三人が談笑していると、またもや後ろから声がした。



「……おっす」








声が聞こえた瞬間、私は思わず息を飲む。

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