俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「てか、掃除始める?リビングはまだ散らかってたよね」


加奈子は俺から逃げるように立ち上がろうとした。


「掃除なんていつでも良いし、もう少しゆっくりしようよ」


俺はそんな加奈子の腕を掴んだ。


「だっだっ…だって…ヒロキの視線怖いんだもん」


「怖くないって…優しくするから」


「や!?優しく?!///」


「うん。俺の全知識を尽くして優しくすると誓う」


「ば…ばかっ!!!///」


加奈子は真っ赤になって俺の頭を思い切り叩くと

逃げるように部屋から出て行ってしまった。



ぽつんと残された俺は思わず、くっくっく…と、苦笑いした。


ヤバい


加奈子をからかうのマジで面白い。



加奈子のかわいい反応に

俺はいつの間にか嫉妬も消えて笑っていた。



「冗談じゃん。ちょっと待ってよ」


俺はにやける顔を抑えると加奈子の後を追って部屋を出た。

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