俺はお前だけの王子さま～ヒロキと加奈子～

仲直り

―――週末


加奈子と俺は高校近くのドーナツ屋で会うことになった。


加奈子と愛子ちゃんがよく来るドーナツ屋。


窓際の席。


俺の前には温かいカフェオレ、加奈子の前には甘そうなドーナツが1つ置いてある。


ゆるいカフェミュージックが流れる店内は暖房が効いて暖かい。


お昼のピークを過ぎた時間帯で客入りも６割程度。


そんな穏やかな雰囲気とは対称的に


俺たちの机には少しギクシャクした空気が漂っていた。


あの日以降も加奈子は学校では俺とまともに話しをしてくれなかった。


数日ぶりに加奈子と向き合う俺。


俺は最初に加奈子に謝った。


「ごめん」


机に前髪が届きそうなぐらい、深く頭を下げる俺。


そんな俺を見つめる加奈子。


「ヒロキは…なんで私が悲しかったか分かって謝ってる？」


「ん、正直全部はわかんねぇけど…とりあえず俺が不真面目だったからだろ？」


「…………」


俺の言葉にコクンとうなずく加奈子。