俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「……加奈子ちゃん何者?」
俺はコントローラーを投げ出して加奈子ちゃんを見た。
加奈子ちゃんの強さは半端なかった。
「ふふ♪ゲーマーなお兄ちゃんに仕込まれてますから」
加奈子ちゃんは得意気に話す。
「つか俺、女の子相手に本気で勝てなかったの初めて。」
女の子とこんな風にゲームすんのも初めてだけど。
そもそも女の子相手に本気で遊んぶことってあんまねぇし。
加奈子ちゃんとはなんつうか…
春馬といるみたいな感覚でいつの間にか遊んでた。
そんな俺に加奈子ちゃんはコントローラーを置くとにっこり笑った。
「愛子と王子くん遅いね?」
加奈子ちゃんはそう言いながら課題をパラパラと眺めた。
「…………」
今頃、仲良くやってんじゃね?
俺は複雑な気分を変えるように違うゲームを取り出すとコントローラーをもう一度手にした。