俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「………」


加奈子ちゃん…


胸に込み上げる優しい気持ちにいつの間にか俺まで真っ赤になっていた。


「もういいよ…」


照れる自分をごまかすように


俺は加奈子ちゃんに背を向けるとスタスタと歩き出した。


歩きながら深呼吸していつもの余裕を取り戻す。


「つ―か俺…加奈子ちゃんと喋るのつまんなくないよ」


「え?」


「むしろ楽しいよ」


余裕を取り戻した俺は少し振り返ると加奈子ちゃんに笑顔を見せた。


「……///!」


加奈子ちゃんは機嫌が直った俺に安心したのか


また顔を明るくして俺に駆け寄ってきた。


俺の言動で一喜一憂する加奈子ちゃんは犬みてぇ。


そんな加奈子ちゃんが可愛いと思う自分もいて…


それから俺たちは好きな音楽の話やゲームの話をした。


加奈子ちゃんと改めてこういう話をする機会ってあんまなかったけど


兄貴がいるせいか加奈子ちゃんの趣味は結構男勝りで


意外と俺と共通点が多かった。



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