俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
俺の言葉に加奈子ちゃんは驚いた顔で俺を見た。


「………え?」


信じられないという顔の加奈子ちゃん。


……そりゃそうだよな。


愛子ちゃんに失恋したばかりの俺の告白なんて…


自分ですら信じられないのに。


「……信じられねぇ?」


「う…うん」


俺の言葉に加奈子ちゃんは戸惑いながら小さく頷いた。


「だよな…だけど自分でも信じられないけど…気付いたら本気で好きになってたんだ」


「…………」


加奈子ちゃんの涙はいつの間にか引っ込んでいた。


「え…嘘だぁ?ほ…ほんと?」


信じられないように加奈子ちゃんが言う。


「ほんとだよ」


「…………」


「すげぇ好き…」


加奈子ちゃんはみるみるまに、真っ赤になっていく。


「え…?ええ…???」


おろおろする加奈子ちゃんは、困ったように俺を見上げた。


つ―か…

なんでそんなに可愛いの


俺はそのまま加奈子ちゃんを抱き寄せた。


「俺と付き合って…」


< 68 / 280 >

この作品をシェア

pagetop