俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
「えぇ――…?」


高くうねるスライダーを見上げて加奈子ちゃんは俺を見た。


「…やっぱり怖そうだよぉ」


「大丈夫。身長130cm以上だし、余裕っしょ♪」


俺は階段入り口の看板を指さした。


そこには身長130cm以上は滑れると書いてある。


ちなみに俺たちが滑るのは二人乗りのレーン。


高い階段を登りながら、徐々に順番が近付いてきた。


係員の誘導で二人乗り用の浮き輪に座る。


「加奈子ちゃん、前座りなよ」


「え――!怖い怖い!」


「大丈夫、大丈夫♪」


俺は半ば無理やり加奈子ちゃんに前を譲ると、加奈子ちゃんの後ろに座った。


二人乗りの浮き輪に尻をつけると


順番待ちの間にすっかり乾いてしまった肌に尻だけが


グッショリと濡れる感覚がして少し気持ち悪かった。


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