俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
ドッパ―――ン!!


水しぶきをあげてスライダーから飛び出すと、俺と加奈子ちゃんはそのままの勢いでプールに沈んだ。


ごぼごぼと透明のプールの中で空気が踊る。


「ッぷは!!!」


俺が水面に顔を出すと加奈子ちゃんもザバっと顔を出した。


「………けほっ」


頭の先から濡れた加奈子ちゃんは軽く方針状態だけど、


俺と目が合うとぷはっとお互いに笑った。


「あははは、思ってたより怖くなかったね」


「はぁ~?あんだけ叫んどいてかよ」


「叫んでないもん」


「はいはい、」


つうか早く退かなきゃ次が滑れないかな


俺は浮き輪と加奈子の手を掴むとザバザバと水をかき分けプールから出た。


乾いたプールサイドに俺と加奈子ちゃんの足跡がのこる。


時計を見ると12時前だった。


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