俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
ナイアガラの滝のようなその水のカーテンは


プールに流れ落ちて波を作り出している。


滝の裏側には少し空間があり、人もまばらでなんだかいい感じだ。


「ちょっと濡れるよ?」


俺は加奈子ちゃんの浮き輪を引っ張ると滝の裏側に入った。


―――ザババッ


水のカーテンをくぐると予想通りその先には壁と水に挟まれた横に長い空間がぽっかりと広がっていた。


「水の洞窟みたい…」


浮き輪に揺られながら加奈子ちゃんが上を見上げる。


つられて俺も見上げると

透明の水のカーテンからは太陽の光が透けて、プールに落ちる光はまるで木漏れのようだった。



ザ――――――…


賑わう声も水の流れる音にかき消され

この中だけちょっとした異空間みたいだ。


偶然見つけた場所だけど


どうやら滝の裏側は恋人達の穴場らしく数組のカップルが仲良くしていた。


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