俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~
つーかなんだアイツ


馴れ馴れし過ぎじゃねぇ?


まじウザいし…


人の彼女に触れてんじゃねぇよ


さりげなく加奈子ちゃんの肩をたたくそいつに俺は殺意を覚えた。



いつまでも笑い合う二人。


つーか…加奈子ちゃんもなに笑ってんの?


なに喜んでんだ?


いつしか俺は、触られても平気で笑顔を見せている加奈子ちゃんにも苛々していた。






結局二人は、試合が始まる直前まで話しを続けていて俺は加奈子ちゃんと話せなかった。


いつの間にか2階には観客が増えていた。





ピ―――――ッ


体育館になり響くホイッスル


それを合図に試合が始まった。


ワ――――――…!

イケイケオセオセ―…


練習試合が始まると体育館は熱気と歓声に包まれた。


「…………」


だけど俺は正直
全く試合を見る気分じゃなかった。


暑いしうるさいしまじウザい。


楽しかった気分がしらけた。


俺は苛々が収まらないままに、体育館を後にした。


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