俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「…いいわよ…、答えなくても。
そうよね、私が男だとしても嫌だわ、合コンで出会ってすぐにホテルに入ろうとする女なんて。」

自分を蔑んだ言い方をして彼の心の負担を軽くしようとする。

だけど、…本当は分かってほしい。

私は…、そんな女の子じゃない。

さっきは酔って相手の男の思惑を読めなかったのよ。

今になってゾッとしてる。

あの時悠斗が現れなかったら…、今頃…。

自分の愚かさにまたしても泣けてくる。

しかも、悠斗が私の元を去ろうとしている。

悲しくて、切なくて、やりきれなくて…。

私は彼のいるところの反対側を向くと、彼に見られない様に堪えていた涙を一気に出した。


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