俺様婚約者~お見合いからの始まり~
意を決してバスルームのドアを開けると悠斗がバスタブの中から私を見た。

「逃げ出したかと思った」

そう言ってニヤリと笑う。

「に、逃げたりなんかしないわよ」

精一杯の強がりを見せた私に彼は、

「おいで」

と言って手招きをする。

おそるおそる近づいて彼のいるバスタブに足を入れて身体を沈める。

後ろに裸の悠斗がいる、と思うと振り返る事が出来ない。

ど…どうしよ…。勢い余って、来ちゃった…。

さっき、裸の全身、見られたよね?

うわー…。

冷静になると自分のとった行動の大胆さに自分で驚く。




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