俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「照れてなんかないってばっ」

私がそう言うと彼が動いて水面が微かに揺れて波立つ。

…え…。

後ろから彼の手が私の両方の脇腹にスッと入り、抱っこされる様に持ち上げられ彼の膝の上にストンと座らされた。

…きゃ…。

彼の顔が私の頭の斜め上にある。

うわ、うわ、どうしよっ…。

悠斗はそのまま私の顔を覗き込む様に見下ろした。

…やっ…。

思わず顔を背ける。

「今更逃げないで、おとなしく俺のものになれ」

吐息まじりに囁かれて頭がボウッとしてくる。


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