俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「なっ、なっ、何言ってんのよっ!!
何が…、我慢しろ、よっ!!」

勢い余って椅子から立ち上がり抗議する。

すると彼は新聞の横から顔を覗かせフフッと笑った。

……ヤバい…。格好良すぎる。

大体、その眼鏡は反則だわ。心臓が鳴り止まないじゃないのっ。

「あれ…?迎えに行かなくてもいいんだ」

……え。

いや…。今夜も会いたい。

私はカタンと静かに座り直した。

半分だけ覗いている悠斗の顔を見る。

「…来て。…会いたい」

彼は新聞をガサガサと畳むと立ち上がり身体を屈めた。

………?

そのままテーブル越しに私の唇を塞いできた。

……!

「行くよ。待ってろ」

そう言ってフワリと微笑んだ。


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