俺様婚約者～お見合いからの始まり～

う、うわ…。

不意討ちな行動にピキリと固まる私に悠斗は余裕の笑顔を浮かべたまま、そっと眼鏡を外すと言った。

「さ…、早く食べて、そろそろ行くぞ。

百合子も学校だろ」

「………」

そして静かに食事を始めた。

……そんな彼の仕草を眺めながら、ずっと心の奥に抱いてきた思いがまた、蘇る。

……悠斗は本当に私の事が好きなの？

どうして…、いつもそんなに余裕なのよ。

綺麗な大人の女性が周りに沢山いるのでしょう…？

彼にときめく度にその思いが強くなり疑問に思う。

…だって、私みたいな子供じゃなくても…。

私は気持ちを無理矢理押し込めると、冷めたスープを一気に流し込んだ。