俺様婚約者~お見合いからの始まり~
背後からの声に誠司の動きが止まった。

…悠斗!!

驚いて固まる私達二人をじっと見据えて、彼が立っていた。

「ふぅん…。
やっぱりな。
…百合子が、好きなのか」

悠斗の言葉に誠司の身体がビクリと動く。

「お…俺は、お前なんかとは違う。
会社の為の政略結婚なんかに百合子を使うな!!」

誠司の言葉が私の心にザクリと刺さる。

「政略結婚…だと…?」

悠斗の声が低く響いた。

悠斗は獲物を狙う猛獣の様に鋭い視線で誠司を睨んだ。

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