俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「や…やめて、誠司、いいのよ、…それでも、…いいのっ」

「百合子…、お前…」

私は滲み出しそうになる涙を必死で堪えながら、誠司に言った。

「…何を言ってる?」

悠斗が鋭い眼差しを今度は私に向けていた。

「私は…、私はいいの。
悠斗が私みたいな子供に本気じゃない事くらい、知ってるわ。

会社の為になるなら、…いいのよ!」

「………!」

悠斗が驚いた顔で私を見てる。

そりゃ、そうよね…。

完璧に私を騙したつもりでいたのでしょう。

だけど、おあいにく様。私は確かにあなたよりも子供だけど、バカじゃないわ。

あなたを見てたら分かるわよ。



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