俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「あの、鹿島常務、ちょっと…」

その時、母の背後から弥生さんが現れ、母を呼んだ。

「あら、なぁに?
浅香さん、ちょっとすみません」

「あ、いえ、どうぞ」

母は浅香さんにそう言われて、軽く会釈すると弥生さんと小声で話しながら歩き去った。

「………」

私は私と共に取り残された隣にいる男性をチラ、と見た。

「…ん…?」

浅香さんはそんな私の視線に気付いて私を見返した。


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