俺様婚約者~お見合いからの始まり~
…あんなヤツの為じゃないわ…。
改めてそう思いながら窓の外を眺めていると…。
ホテルの正面に一台の車がスーッと軽やかに滑り込んで来た。
見るからに高級そうなピカピカに磨き上げられた黒塗りのその車から背の高い男が颯爽と降り立った。
…あ…。…来た…。
…悠斗だ。
異様に輝くオーラを纏いながら彼は出迎えのボーイに車のキーを渡すと正面の自動ドアをすり抜けて私と同じ空間に入って来る。
するとフロントから一人の男性が飛び出してきて悠斗の方へ小走りで近付いて行った。
私も悠斗の姿を見た瞬間から彼に向かって歩いていたので悠斗の横顔があと数メートルの位置にまで来ていた。
「これは、これは…!ようこそ、澤乃井様。
いつも、大変有り難う御座います。」
深々と頭を下げながら、その初老の男が言う。
「ああ、どうも、支配人。」
軽く返事をしながら、ふと横に立つ私に気付いて彼は私を見た。
…あ…。
二人の視線が絡み合う。
今日の彼は昨日のかしこまった正装とは全然違っていた。
昨日はオールバックにして額を出していたが、今日は長い前髪をさらりと垂らし、くせのありそうな後ろ髪がツンツンと揺れている。
そこに御曹司の堅苦しさはなく、最近の若者と何ら変わりはない。今時の男の子、といった風情だ。
その、気品とずば抜けた容姿以外は。
改めてそう思いながら窓の外を眺めていると…。
ホテルの正面に一台の車がスーッと軽やかに滑り込んで来た。
見るからに高級そうなピカピカに磨き上げられた黒塗りのその車から背の高い男が颯爽と降り立った。
…あ…。…来た…。
…悠斗だ。
異様に輝くオーラを纏いながら彼は出迎えのボーイに車のキーを渡すと正面の自動ドアをすり抜けて私と同じ空間に入って来る。
するとフロントから一人の男性が飛び出してきて悠斗の方へ小走りで近付いて行った。
私も悠斗の姿を見た瞬間から彼に向かって歩いていたので悠斗の横顔があと数メートルの位置にまで来ていた。
「これは、これは…!ようこそ、澤乃井様。
いつも、大変有り難う御座います。」
深々と頭を下げながら、その初老の男が言う。
「ああ、どうも、支配人。」
軽く返事をしながら、ふと横に立つ私に気付いて彼は私を見た。
…あ…。
二人の視線が絡み合う。
今日の彼は昨日のかしこまった正装とは全然違っていた。
昨日はオールバックにして額を出していたが、今日は長い前髪をさらりと垂らし、くせのありそうな後ろ髪がツンツンと揺れている。
そこに御曹司の堅苦しさはなく、最近の若者と何ら変わりはない。今時の男の子、といった風情だ。
その、気品とずば抜けた容姿以外は。