俺様婚約者~お見合いからの始まり~
彼女は私と一瞬、明らかに目が合ったけれど、すぐにフッと目を逸らして悠斗の胸に顔を埋めた。

「ねぇ…、悠斗…。
結婚なんて、冗談よね…?」

彼女のくぐもった声から、悠斗の胸に唇を押し当てているのがわかる。

甘えた声の彼女の問いに悠斗は何も答えない。

だけど何故か悠斗は彼女を振り払わずに胸に納めたままでいた。

後ろ姿からは悠斗の表情が読み取れない。

…何なの、これ…。

私は膝の震えを堪えながらその二人の様子を呆然とただ、眺めていた。


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