俺様婚約者~お見合いからの始まり~
……もう、…敵わない。

彼の柔らかい髪を掻き撫でながら、彼の肩に顔を埋める…。

私は寝室の天井の大きなシャンデリアを見上げながら、先日の悠斗のバイオリンの音色を思い浮かべていた。

きっと、また、…聞かせてね…。
あなたの心からの…声を…。


一枚、一枚、お互いの殻を剥がす様に少しずつ、彼を理解していく。

遠くにあった悠斗の存在を、いつしか私は側に感じていた。


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