俺様婚約者~お見合いからの始まり~
そこへ、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「はい」

返事をすると、男性が二人、部屋に足を踏み入れてきた。

「お父さん…」

海外に駐在して八ヶ月もの間、会えなかった父がそこに立っていた。

「やあ、百合子。
ごめんな、長い間、側にいてやれなくて。

…綺麗だな。
良かった。幸せそうで。

悠斗くんは…、優しいかい?」

「…ええ、…とっても」

涙を堪えて久しぶりの父の顔を見上げる。

「……彼を、愛しているかい?」

不安そうに尋ねる父に、とびきりの笑顔で応える。

「…ええ、大好きよ」

父はホッとした様に表情を緩めると自分の後ろを振り返り、後ろに立つ人物を見た。



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