俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「あはははっ」

私は笑いが止まらなくなってしまった。

悠斗は怪訝な顔をして私を睨んでいる。

「もう…、お父さんなのに…。
悠斗、おかしい」

しばらく私が声をたてて笑うのをじっと見ていた悠斗はそれから私の手をそっと取った。

そして片膝をついて身体を低くするとそのまま私の手に優しく口付けをした。

……えっ…。

私を見上げて彼は言った。

「そう、…おかしいよな。
自分でも分かってる。

気が狂いそうなほど、百合子に惚れてる。

自分でも、どうしたらいいのか、分からなくなる」

「…悠斗…」

…どうしたらいいのか分からないのも、狂いそうなのも…、私の方だわ。

しばらくそのまま私達は無言で見詰め合っていた。



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