俺様婚約者~お見合いからの始まり~
一旦外に出て、ホテルの敷地内にある別館の教会へと向かう。

悠斗は先に中へと入って行った。

入口の大きな扉が開き、厳かなパイプオルガンの音色が響き渡る神聖な空間へと足を踏み出す。

歩き出す直前に隣の父の顔を見上げる。

「お父さん、ありがとう。
私、幸せになるね」

父はにこりと笑って私を見下ろす。

「悠斗くんなら、大丈夫。
お前をとても愛してるのが分かるから」

「うん」

前を見るとこちらを見ながら優しい笑顔の彼が立っている。

ゆっくり一歩一歩、彼に近付いていく。

彼の隣に立ち、見上げると綺麗な笑顔で応えてくれる。

改めてまた、彼に見惚れる。

ぼーっとしていると彼が口の端を上げて笑いながら「…見惚れてんなよ」と小声で言った。


< 311 / 314 >

この作品をシェア

pagetop