俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「…鹿島百合子、……誓いますか…?」

…だめだ、涙が…。

どうしよう。

「…ち…、ちか…います」

やっとの思いで答える。

すごい鼻声だった…。恥ずかしい…。

「では、指輪の交換を」

神父が手にしている台座の上には、ダイヤの散りばめられたキラキラ輝くシンプルなリングが二つ、載せられている。

悠斗が私の左手をそっと持ち上げ、スッと嵌めてくれた。

私も彼の、男の人にしては細い指にそれを嵌める。

「…誓いのキスを」

悠斗が私のベールを持ち上げその綺麗な顔を近付けてくる。

彼の柔らかい唇が触れてそっと目を閉じる。

唇を離した瞬間、彼は言った。

「もう、…無理。

早く、抱き締めたい」



< 313 / 314 >

この作品をシェア

pagetop