俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「…高橋くん…」

「え…、百合子…?」

そのカップルの男性を見て思わず名前を口走ってしまった。

彼の方も同じ様な感じだろう、はっとした様に口を手で押さえた。

私の背中に触れる悠斗の手がピクリと揺れる。

…あ、まずい。

向こうも彼女の方が怪訝な顔をして彼を見ている。

しかしこのまま通りすぎる訳にもいかず、無理矢理に笑顔を作って彼に話し掛けた。

「高橋くん、元気だった?私は…元気よ」

彼も明らかに作り笑いだと分かるような笑顔で答える。

「うん、元気だよ。百合子…、さん、も結婚するの?…おめでとう…」

「…うん、…高橋くんも…、おめでとう」

「ありがとう。…じゃ、また」

「…ええ」
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