俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「わかった、わかったよ。もう行かないから」

そう言いながら抱き締め返してくれる。

「あのさ…、」

また何か言いかけた悠斗の顔を見上げると…。

真っ直ぐ前を向いている。

あ、なんだ。私に話してるんじゃないんだ。

…ん?前にいるのは…。
忘れてた!高橋くん…!

私も悠斗の目線の先にいる高橋くんの方を向くと、彼は呆然と私達を見ていた。

「…運命とか、感じるのは自由だけど…、そう言うなら俺もこいつと昨日、運命、見ちゃってんだよね。

俺より後だったんだから、君のは運命じゃなくて、ただの偶然。

百合子も俺の方がいいみたいだから、悪いけど手引いてくれる?」

ふわりと綺麗なキラキラした笑顔で、言っている事はなかなかキツイ…。

…って、見とれている場合じゃないってば、私!

「あの…ごめんなさい、私…もう、あの時の事の真相がどうとか…、どうでも良くて…。

あの、早くあの子を追いかけて?待ってると思うの…」



< 61 / 314 >

この作品をシェア

pagetop