俺様婚約者~お見合いからの始まり~
「まだ、そんな事を言ってる…。菜緒子とは何もないよ。
取引先の孫娘でさ、向こうが勝手に近付いて来たんだ。

…ここまで言わないといけないのか?」

彼が形の良い眉を微かにひそめる。

「や…、あの…」

「まあ、そう言いながら俺も実は気になってんだけど。…高橋くん」

そうだ、忘れてた。
思いっきり、元カレと遭遇してたんだった。

「まあ、いいよ。
これからは俺しか見えなくなるんだから。

…それに…、百合子は子供なんかじゃないよ。
俺にとっては、充分…、女だよ…」



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