ある日突然...
黎の思い
5分後ホテルの前に着き、ドアボーイがドアを開ける。2人が降りると会長の車は走り去った。
永森さんは私の手を握り、すたすたと歩いていく。半分引きずられながらついていく。フロントでカードキーを受け取り、そのままエレベーターに。
3日前にも同じようなことがあったような・・・
部屋に着き、永森さんは寝室に着替えに入った。残された私は立っているのもおかしいのでソファに座る。
寝室から永森さんが電話で話をしている声が聞こえる。仕事の電話をしているのかな・・・
すぐに出てきた永森さんはTシャツにジーンズ姿だった。スーツ姿しか見たことのなかった私は新鮮で見つめてしまった。
「なに?どうかした?」
「いえ、なんでもないです。」
かぁーっと顔が熱くなり、下を向きながら首を横に振った。永森さんが私の隣に座る。そしてじっと私の顔を見ている。どうして良いのか分からず、固まってしまった。