勘違いしないでよっ


あたしが謝ると
背中にかかっていた力は止んだ。

「ん?神埼、背伸びた?」

コーチは少し驚いたような顔をした。


「へっへん!160cm越えましたー!」

あたしは自慢げに言う。
引退する前に散々いじられてたのは
あたしの身長が
バスケット向きではないくらいに
小さかったからだ。

他の学校のチームには
身長160cmをゆうに越える選手が
たくさん居た。
っていうか、それが普通。

そんな中で
あたしは156cmしか無く、
コーチに「チビ」と馬鹿にされていた。


「お前は背が低いから
中で使えない。
だからシュートを確実にしろよ」


それが、あの頃コーチに
毎日言われてた言葉。


「ほーう。すげえな、成長期。」

コーチは感心したように言った。


「シュートは完璧にみっちり練習してたし
背も伸びたから
あたし案外使える選手ですよ?」

と調子にのって言ってみた。


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