愛してますから。
「これから誠心誠意で若君のことをお守りいたします!だからなんなりとお申しつけくださいね」
おじいちゃん、私ようやく君主に巡り会えたようです。これから一生懸命仕えていきたいと思います!
「なんか時代劇みたいだねぇ、もしかしてユイちゃんって家和風だったり」
「よくわかったな、というか!
若君以外はでよぶな! あ、もちろん若君はいいですよ?」
「えー、俺も名前で呼びてぇんだけど」
ダメよ!というか嫌よ。
私の身体も心も若君も物なんだからね!
「ユイ、呼ばせてやって。
俺ら仲間じゃん」
「………仲間?」
「そ、仲間。出会って間もないけどね?」
そういって徳川は苦笑いを浮かべながら、私に優しく笑い掛けてきた。
仲間―… 今まで考えたこともなかった。
仲間なんて呼べる友達もいなかったし、だからこの響きに、私は多分
この時から胸をときめかせていたんだと思う。