隣のカレ【短編】




「ひ、日向くん?」



日向くんはあたしの手を引いて人気のない廊下まで歩いて来た。



「泣け」


「‥へ?」


「何があったか分からないけどここなら俺しかいないから好きなだけ泣いていいよ」


「‥‥いや、あの‥」




あたしは驚きで涙なんてとっくに引いてしまっている。


ていうか、涙の原因は日向くんだ。




「アイツに何かされたのか?」


「アイツって‥冬夜?」


「うん。アイツに何かされて泣いてるなら俺がアイツにやり返してあげるよ」



‥‥日向くん、すごい真剣な顔していてすごくかっこいいんだけど。



「あたしが泣いてたのは‥冬夜のせいじゃ‥」


「え、そうなの?じゃあ、誰に泣かされたの?」




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