隣のカレ【短編】
「‥ひ、日向くんが、」
「俺?」
キョトンとした顔であたしを見る日向くん。
そんな顔もかっこいいって、ずるい。
「日向くんが‥あたしを、無視するから‥」
「え?無視?」
「さっきも昨日も無視、したでしょ?」
何か、思い出したらまた悲しくなってきた。
「え、あ!わ、悪い!悪かったから、泣かないでっ?」
こんなに焦っている日向くんを見るのは初めてで、悲しいはずなのに少し笑ってしまった。
「えっと‥‥確かに昨日の帰りは無視、しちゃったよ。ごめん‥」
「‥あたし、何か日向くんを怒らせること、しちゃった?」
「い、いや‥違くて‥」