はつこい―最後の恋であるように―
age13
君と出会ったのは、
13才になったばかり、
中学にあがったばかりの
春のことでした。




出席番号が僕のすぐ後ろ。
だから席も、
僕のすぐ後ろ。

入学してから毎日のように、
プリントを回すときはいつも、
僕から君へ、手渡していた。


プリントを渡した時に、
微笑んで小さく頭を下げる姿が、
印象的だった。



「満島葉奏(みちしま・わかな)。」

そう先生に呼ばれて、

「はい。」


そうこたえる澄んだ声が、
綺麗だと思った。



クラスで話すことはあまりなかったけれど、
体験入部の期間が終わる頃、
君が友達と一緒に
野球部にやってきた。
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