REAL HOPE Ⅳ



エレベーターを下りた私はなるべく早足でホテルを出る。



ロビーのホテルマンが心配そうに「大丈夫ですか?」と声を掛けてきたけど、私はそれに小さく返事をするとそのまま通りすぎた。



なるべくここから離れなきゃ


レツはバイクだ。きっと私を探しに来る…



朝方だからタクシーはもちろん、車だってそんなに走っていない。


鞄置いてきちゃったから電車にも乗れない…



とりあえず歩き出した私だけど、本当はポケットにしまった携帯の着信音に気付かないフリをするので精一杯だった…




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