私の小指が教えてくれた事

次の日、どっちが伴奏者になるのか…と、クラスメイトみんなが話していた。


放課後、しげちゃんに音楽室に呼び出された。


音楽室に入ると……
しげちゃんと音楽の先生と…リオがいた。伴奏者が発表される。


「ユミ、リオ…よく聞いて。これは先生達が真剣に考えて出た答えなの。どっちが伴奏者でもどっちも相手を恨まない。それを約束して。」
私とリオの胸に……緊張が走った。いよいよどっちが伴奏者かを知る時だ。

「伴奏者は……ユミに決まりました。」
それを聞いた時、私を一安心をした。しかし、私の隣に座っていたリオの目から一粒の涙がこぼれた。

「…ヒクッ…うわぁーん」

リオは悔しかったんだと思う。リオがどれだけピアノがうまいか。そんなこと親友の私が一番知っている。
「リオごめん……」
私は謝った…。
「……リオの分まで頑張って弾いてね…」
リオはそんな言葉をかけてくれた。

伴奏者になれたことはとても…とても嬉しかった。けど、なんだか少し複雑な気持ちだ。


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