寂しさを埋めて

初めて…。

凪都帆の誘いを断わった。


初めて…。

嘘をついて、部活をサボった。


用事があるって、あながち嘘ではないけれど。
どうしてだか、心がツキツキと痛む。
逃げるように家に帰ったときには、心臓が嫌にドキドキしてて。

この痛みが部活に対する罪悪感なのか、
淳に対する話してくれなかった哀しみなのか、
どっちかなんか分からなくなっていた。

午前中だけの学校を終えて、速攻家に帰ってみても、当然のように淳は帰っていなかった。
『いつものように』家で出迎えてくれるかと勝手に思ってしまっていた藍希は、淳のいない家にどうしようもない寂しさを感じた。
誰もいないリビングを抜けて、藍希は自分の部屋の戸を閉める。

向かいの窓を開けて…。

桜の匂いを乗せた風が、部屋の空気を一掃して、出て行って…。

藍希は制服を脱いでハンガーに掛けた。
< 26 / 26 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

闇夜に笑まひの風花を

総文字数/213,726

ファンタジー247ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
__例えば、 遂げたい想いがあるとして。 叶えたい願いがあるとして。 それが命と引き換えでしか 叶わないことだとしたら、 私は、どうするのかな……。 ***** 幼い頃の記憶がない少女、杏。 彼女には、胸元に真紅の花弁の痣がある。 突然召された王城で告げられた、 大罪という言葉。 彼女の痣は何を意味するのか? そして、失われた記憶に隠された、 彼女の正体とは__? ***** 嘘に嘘を重ねて導かれる真実。 お互いを想い合うためにすれ違う男女の 切なくも甘い物語をご賞味あれ☆ ***** Thank You For Reading!!! *PV1000 1/13 18:18 *PV2000 8/1 

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop