シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「…俺、行ってくるわ」



立ち上がり、リルの元へ向かおうとすれば後ろから声がかけられた。




「カイル様!」




振り向けば、優しく笑う従人がそこには居て。




「…今はまだ修行の途中。貴方様の術は完全とは言えません。ですが、どうか…。リル様をお助けください、」




そう告げられた言葉にカイルの胸が熱くなっていく。




「…わかってんよ」




そんな言葉でしか返せないけれど。



きっと一生感謝するだろう。



そんな事を思いながら部屋を後にした。



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