恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
もしかしたら。


島へ帰って来て、浜へ行けば。


クリアブルーの海を見れば。


ガジュマルの木を見れば。


ひょんなことがきっかけで、思い出すかもしれない。


――思い出せないんです……どうしても


ふと、空を見上げた。


眩しくて、涙があふれた。


――だけど……とても大切な約束……そんな気がします


海斗はきっと、思い出してくれる。


そう信じることしか、今のあたしにできる事はない。


信じていた。


小さな可能性を。


この世に“もしも”がないことは分かっていた。


でも、それでも信じていたかった。


絶望の中に差し込んできた、ひとすじの光を。


信じていたかった。










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