幻想館-赤ずきん編-
赤ずきんは、ゆっくり後ろへ下がっていく。



母親はお婆さんの衣装を身にまとったまま、その場に倒れた。


黒い人影・・・



そのすぐ後!



眩しい閃光が走った


幾つもの場面が早送りされ、次元の狭間なのだろうか・・・?


螺旋状の雲のような階段が現れた。



私は赤ずきんの物語を見ていたはず・・・。



真っ暗な空間に、また戻ってしまった。




そう、初めて「幻想館」を訪れた時のように。




また、突然のフラッシュバック!!



体が吸い込まれていく。



どうして?



体中が痛い!



私はその場に、しゃがみこんだ!



頭が割れそうに痛い


体中に電流が走る!



「誰か・・・誰か、居ないの!?」



うごめく闇が、容赦なく襲いかかる。



暗い所は、いや!



ひとりぼっちは、いや!



辛い思い出

悲しい出来事


思い出すのは・・・



・・・絶対にいやっ!!



私の叫び声は、闇にかき消されてしまう


私は・・・

私は・・・・・・


何を思い出せばいいの!!





・・・あなたの・・・消えていた・・・記憶・・・



どこからか、声が聞こえた。



誰なの?



・・・現実の世界へ・・・帰りなさい・・・



えっ!


現実の世界・・・?




私は気を失った。
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