隣の人形
第2話
ある日、
浴衣をじーっと見つめる転校生を発見した。
華麗にスルーすることにした。
「待ちなさいよ」

いや、待たない。
気のせいか、転校生が悲しそうな雰囲気を醸し出していた。
お面を相変わらずつけているが、顔の横についている。
顔は恐らく無表情であろう。
怖くて、見れない。

「何だ?」
しかたないから、目線を合わせない様にして、話かける。
「これ、日本の民族衣装でしょ」
「欲しいのか?」
「は、ば、いや。そんなわけないじゃないの」
思えば、こいつは制服以外もってないのかも知れないな。


「青が好きなのか」
「は?なんでよ」
「いや、お前が人形の時、青い服着てただろう」
「はあ?あんなの製作者の趣味よ。私は黄色がす・・・」
しまった。という顔をする、転校生。
顔というか雰囲気だが。
ああ、やはり、こいつ元人形だったんだな。
今更だが。

「わた、私、人形じゃ。ないわよ」
あくまでも隠したいらしい。ばればれなのに。
まあ、本人が隠したいなら。
何でもいいが。
というか、まったく変化のない顔とか、人形以外の何ものでもないだろうに。

「黄色が好きか」
「・・・・」

少しふてくされている、転校生。
誘導尋問卑怯だわ。とか、ポツリと聞こえた。

「待ってろ」
「?」
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