隣の人形

人面犬

学校に行くと、
「大変だ」
と、寺崎が話かけてきた。
相変わらず、あまり大変そうではない。

「どうした」
「人面犬を見つけたんだ」
「・・・・・・」


呪いの人形の次は、人面犬か。
こいつは相変わらず、イベントを起こしすぎである。

「とりあえず、テレビ局に連絡しておいた。お金もらったんだ」
「最悪だよ!お前!本当最悪だよ!」

人面犬は、テレビ局につかまったらしい。


・・・こいつは鬼だと思う。



人面犬を売ったお金で、焼き肉に行くことになった。
「こないださ」

焼き肉を食いながら、寺崎は俺に話かける。
「うん?」
「幽霊に出会って」

俺は、ユッケを食う。
「・・・うん」もぐもぐ。
「『見えてるんでしょ』って言われたから」
次は、ビビンバにすることにした。
「うん・・・」もぐもぐ。
「下着見えてる。って言ったら」
「・・・・」もぐ。
「『ば、馬鹿じゃないの。責任取りなさいよね。
これは、見せてるの!』って言われてさ、
幽霊にもツンデレとかいるんだな」
「そうな・・・」

こいつの会話は超次元である。
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