隣の人形
次の日。


「大変だ」
「どうした」
しかし、あまり大変そうではない寺崎。
「人形がなくなった」
「・・・逃げたんじゃねーの」
もはや、人形が生きて(?)いることは、前提のようである。

「うーん。影無君のセンス悪いデザインの服のせいだろうか」
俺のせいにするな。
「まあ、そのうち見つかるかな」
以外に御気楽な奴である。



クラスに転校生がやってきた。
なんというか、なんとうべきか。
あの人形だった。
いやいやいや、ないだろ。そんなベタベタな!
なんで人形が、大きくなるんだよ。
一晩で、でかくなりすぎだ。

いや、落ち着け。赤の他人だ絶対に。
顔が似ているだけだ、そうだ。違いない。
縦ロールとか金髪とか、ギャルゲでは御約束だもんな。
たまたま、人形と似ている人間に違いない。
人形みたいな、女の子だ。
いや、もしかしたら、人間が人形になっていて、何かの拍子(?)に呪いが解けてめでたく、人間になれたのかも知れない。
それか、あるいはどっかの研究所のアンドロイド試作品とか。
いや、というか、やっぱ、人形が大きく・・・
なんというか・・・・。そんなオカルトな。いや、ファンタジーな。

ないだろ。


「おい、寺崎。あれ・・・・」
「うん。綺麗な人だね。外人さんだし。俺、縦ロールツインテールって初めて見た」

・・・・人形ということは、スルーされた。
俺が、おかしいんだろうか。

その後寺崎は、
「え?うーん。そういえば、似てるなぁ」
位にしか言ってなかった。
似てるって言うか、まんまじゃねーか。

変なフラグは立てない方が良い。なんせ、呪いの人形だ、
出来るだけ無視しよう。


転校生の名前は、ユヌプペ・ヴィシソワーズとか名のっていた。
ヴィシソワーズって、食べもんだろ!
ユなんちゃらは、発音しにくいし。

まずい。あの人形馬鹿なのかもしれない。
というかガチで怖い。







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