あなたは先生。あたしは生徒。
【大和】



『じゃぁ…。あたしはやっぱり遊ばれただけなの?』



花が涙を溜めた目でこっちを見ている。



俺は本当に一目惚れしたんだ。



花は20歳くらいに見えたから安心してたし…。



花と出会った次の日学校へ行くと、俺の机の上に書類が乗っていた。



そこには『転校生 柏木花 クラス2ーD』と書かれた文字。



花の照明写真。



俺は生徒と関係を持ってしまった…。



番号は交換してたけどあれから花は連絡をしてこない。



俺は一夜限りの男。



花は一夜限りの女。



そう自分に言い聞かせるしかなかった。



花はこぼれ落ちそうな涙を我慢して、大きな瞳で俺を見上げる。



俺はどうすればいい…。



このまま突き放す事は簡単にできる。



それよりも抱きしめる事の方が難しい。



「ねぇ…。大和ぉ…。」


呼ぶな…。



ダメだ俺…。



ウソつけね…。



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