あなたは先生。あたしは生徒。
「じゃあこの答え、誰か黒板に書いて。」



誰も手を挙げない。



その時、大和と目が合った。



「何!?柏木、そんなに解きたい?」

「いや、いいです…」

「しかたねぇから前に出て来い。」



大和のバカ!!



微妙にわかんないし!!



あたしは渋々黒板の前に立った。



が…。



わかんないよぉ~!!



みんな見てるし!!



斜め後ろから大和の視線を感じる。



「わかんねぇ?」

「微妙に?」

「そうか、じゃあこの問題出来た奴いる?」



誰も分からないらしい…。



「中先、難しすぎ!!」

「じゃあ少し時間やるから、近くの奴らと一緒に考えていいぞ!!柏木はヒントやるからそのまま黒板に書けよ?」



その言葉で教室中が騒がしくなった。



「どっからわかんねぇ?」

「ここから…」

「ここか。教えてやるからこっち。」



あたしは教卓の上で大和に教えてもらう。



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