泣き顔にサヨナラのキス

   
やっぱり、孝太の声はいつもより低いような気がして。


「あ、うん。なに?」


咄嗟に答えたあたしの言葉まで、素っ気なくなってしまった。


あぁ、もう。


こんな時ぐらい可愛くなれればいいのに。


『……誤解してるかと思って、そのお弁当とか』


「……」


誤解?なのかな。


いや、そうであって欲しいと思うけど。








< 104 / 614 >

この作品をシェア

pagetop