泣き顔にサヨナラのキス
 

 
『カナ、聞いてる?』


「……うん。聞いてるよ」


『カナが思ってるような事じゃないから』


申し訳なさそうに、ボソボソ話し出す孝太に、さっきまでガチガチに固まっていたあたしの心が、少しずつ解れていくような気がした。


「……でも、お弁当はちょっと、ビックリした」


『うん』





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