泣き顔にサヨナラのキス
    

『カナ、今からそっち行ってもいい?』


「え?あ、うん。待ってる」


『じゃ、後で』


「うん」


電話を切って、ドキドキしながら孝太を待った。


早く逢いたいなって、思いながら。


孝太のアパートからあたしの部屋まで徒歩10分。


それがまどろっこしくて。


化粧を落としていなくて良かった、なんて思いながらグロスを塗り直した。



< 106 / 614 >

この作品をシェア

pagetop