泣き顔にサヨナラのキス
「…………」
「…………」
もう、足が痺れそう。
「あの、孝太?」
「うん」
俯いたままだから、表情もわからない。
そろそろ何か喋ってよ。
「…………」
「…………」
取り合えず、先に謝ろう。うん。
「えっと、昨夜のことなんだけどね。
あたし、孝太に迎えに来てもらったこと、覚えてなかったみたいで……
ごめんね。心配するよね?彼女がこんなんじゃ……」
言いながら、自分が情けなくなった。